島バナナ研究会とは

僕の肩書きは「気象予報士」ですが、気象予報士の仕事は、予報することではなく、解説することだと思っています。

現在の天気予報は、気象庁がさまざまなデータをスーパーコンピュータに打ち込んで出た数値予報を基に、気象会社がみなさんにお伝えするという流れです。
予報では、もう人間はコンピュータには太刀打ちできません。
要するに我々、気象予報士は「明日は午前中に晴れ間が出ますが、午後からは雨になります」なんて、コンピュータの予報を分かったような顔をして口にしているだけ(笑)。

でも、だからこそ、その予報をどう伝えるのかが非常に重要になってくる。
野球やサッカーなどのスポーツも、僕が愛してやまない将棋も、解説者がつまらないと、見ていて本当につまらないじゃないですか。

かつて芹沢博文という棋士がいらっしゃったんですが、彼のテレビ解説がすごく面白かったんです。
バカな冗談を言いながらも、大事な局面では専門的な知識がバーッと出てくる。
そのギャップがもう、最高にカッコよくて、こんなふうになりたいと思いながら見ていました。
だから僕が理想とするのは、芹沢九段のような気象予報士なんです。

予報自体はスーパーコンピュータにお任せしても、解説すべきことは山ほどある。
広範な知識や好奇心がなければ、分かりやすく教えることはできないし、面白く伝えることもできないんです。

気象予報士には、勉強が好きな人ならきっと誰にでもなれます。
ただ、気象解説ということになると、誰にでも、というわけにはいかない。
人に伝える技術、コミュニケーション能力が必要になってくるでしょう。

気象以外で、個人的に一番興味があるのは「島バナナの普及」です。
島バナナは、沖縄在来種の小ぶりなバナナで、むちゃくちゃうまいんです!

もっちりとした食感でリンゴやキウイのような酸味があり、バナナ嫌いの友人さえトリコにしてしまったほど。
ただ、今は専業で作っている農家がほとんどなく、病虫害にも弱いため、沖縄以外ではめったに手に入らない。
どうにかこのバナナをみなさんに知っていただこうと「島バナナ研究会」を作って地道に活動しています。

面白い天気予報と、島バナナ普及。
これからはこの2本立てで、生きていきたいです。

編集:島バナナ研究会員 井上 美穂