農家インタビュー

今回は、夢農人とよたメンバーである、559有限会社 大嶋茂希さんに、お米「ミネアサヒ」のおいしさをたくさんの人に知っていただくために自らプロデュースする大切さについて、お話を聞かせていただきました。

[2019年11月27日/559有限会社にて]


生産している主な農作物


ミネアサヒ


概要


▼所在地
豊田市余平町
▼栽培について
合鴨農法


前職は設備関係の自営業でした。


大嶋さんは若いころから、設備に関係する仕事をしており、自営業の社長として、
とにかく仕事、仕事、仕事で日々忙しく飛び回っていました。

近隣だけの仕事ではなく、色々なところからお声をかけていただき、必死で仕事をする毎日でした。

年齢的にもそろそろ仕事ことも考えていかないとなぁと思いながら、農業を本格的にやっていこう!とお米の栽培を学び始めたころ、
設備の仕事もしながら、農業もやってという二足のわらじ。
忙しさを手伝ってか、急に病気になってしまった大嶋さん。
何か月も入院をすることに…。

働き手が倒れてしまい、大嶋さんのご家族の生活は一気に変わってしまいました。
収入はなく、借金も増えていくばかり。
ずっと頑張ってきた559有限会社をたたもうか、どうしよう…。
という状態まで追い込まれていきました。

しかし、息子さんや、娘さんが率先して農業を手伝ってくれて、農業を継続していくことができるようになりました。娘や息子たちには、感謝という言葉以外には見つかりません。と、当時を振りかえりながら話してくださいました。



農業に本格的に取り組む


大嶋さんの住む地区では「ミネアサヒ」というお米が作られていました。
旭高原の麓にある水と空気の綺麗な地域。
地元のみなさんが育てているミネアサヒという品種は、その当時、他の地域ではあまり作られていなかったそうです。

そこで、大嶋さんは、この希少価値のある「ミネアサヒ」を自分の手で販売し、お米の美味しさを伝えていきたい!と考え、JAに卸すだけではなく、自分自身での販路開拓をスタートしました。

豊田市の商談会に参加させていただき、2社の方と実際につながることができて、
もう何年もお取引がつづいているそうです。

飲食店、スーパーなどには、自分自身からお米をもって行って
「ぜひ!1度食べてみてください。」と交渉されるそうです。
そして、先方からの連絡を待つのではなく、自分から、数日後に再度訪問する。
自分の栽培しているお米に自身はありますから、実際に食べて頂くのが一番知っていただくのには近道なんです。と大嶋さんはおっしゃいます。


イベントなどにも積極的に参加し、試食などもお客様にご用意して、実際に味わってもらいながら、納得してもらって購入していただく、対面販売。お客様に自分から声をかけ、かかわっていくことによって、何年も、何年もお付き合いできる、お得意様が増えていっているそうです。
最近ではSNSでのつながりも大切にして、実際に営業に行かれたりもするそうです。


ミネアサヒをさらに美味しく…


559では、少し変わった栽培方法で一部のお米を育てています。
それは、「合鴨農法」という方法です。化学肥料・農薬は一切使用しない栽培方法です。
ご自宅の目の前の高台に1区画だけ、専用の田んぼがあります。

毎年6月ごろ、京都から合鴨のひな約30羽を取り寄せます。
とっても小さくてかわいいひな。
このひなたちに田んぼで泳いでもらって、草を取り除いてもらいます。

ただ、合鴨を餌にしようと自然界の野獣はいつも狙っています。
その野獣対策にはとても苦労しました。
広い田んぼをどのように管理するか…。
色々悩み、合鴨が仕事をしてくれている間、田んぼにネットを張り、
さらに、近くで大嶋さんが見張るのが一番効果的だという事でした。



「無農薬のお米を探しています」


お米を実際に対面販売で売るようになって、多くのお客様からたずねられる言葉の1つに、
「完全無農薬ですか?」という言葉が頻繁にあるそうで、なぜ無農薬がいいのですか?とたずねると、「子供がアトピーで」「自分自身がひどいアレルギー体質で」という答えが多く返ってくるそうです。

流行りとか、なんとなく…といった理由ばかりではないんだなぁと実感されるそうです。
本当に困って探されている方に、喜んでもらえていると思うと、
これからも頑張って続けていかなければ!と思うそうです。


ご夫婦でささえあう…



取材でお伺いさせていただいた際に、イベントで559のお米を販売させてもらっていると、
何枚かの写真をみせていただきました。

いくつかの農家のお米と一緒に559さんのお米は並べられていました。
しかし、ほかのお米とはちがい、お米袋ではない、ほかの方法でおしゃれにパッケージされて販売されている様子の写真でした。

「おしゃれですね!大嶋さんが考えられたのですか?」とたずねると、
「隣にいる妻が考えました。彼女がいろいろいつも考えてくれるんです。おかげで、今回も外国の方などの観光に来られた方に評判がよく、たくさん売れました!」と教えてくださいました。

奥様は、どうやったら、559のミネアサヒを手にとってもらえるか、色々な場面でアンテナをはり、考えて生活しているそうです。これ!いいかも!と思ったら実際にそのパッケージで販売してみる。お客様の反応がどうか確かめてみる。フットワーク軽く色々チャレンジされているとのこと。売れたときは、とっても嬉しいんです!と満面の笑みでお話してくださいました。

ご夫婦で色々話合いながら、どうやって販売していったら、559のお米を喜んでもらえて、リピーターになってもらえるかを、普段からお話されていることにより、
お互いの得意部分を認め合いながら、支えあっていく素敵なご夫婦であることが、
取材中に何度も感じるお二人でした。



夢農人とよたには感謝しています。


本格的に農業に取り組みはじめてすぐのころ、色々インターネットで調べていたところ、
夢農人とよたの存在を知った大嶋さん。

まだまだ、知識の少ない自分を快くメンバーに入れてくださって、本当に感謝しています。
イベントでの販売の仕方や、個人の農家ではなかなかお声がかけていただけない情報も色々教えていただき、今現在、559がこうして頑張っていられるのも、メンバーのみなさんと知り合えたことがきっかけとなっています。
事務局の鈴木さんからのアドバイスもあり、進んでくることができています。
本当に感謝しています。お話してくださいました。

これからも、ミネアサヒのおいしさを全国に広めていってほしいです。

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