農家インタビュー

夢農人メンバー、倉橋 幸嗣(花)の紹介で沖縄県八重瀬町の仲座ファームさんにインタビューしました。

[2020年1月11日/仲座ファームにて]


視察・インタビューした夢農人メンバー

夢農人事務局 井上

仲座ファーム仲座さんへの沖縄でのインタビューは、お天気キャスターの森田正光さんとともに行いました。
お天気キャスターの森田さんは、40年前に沖縄の島バナナの独特の美味しさに魅了されたことをきっかけに、昨今減り続ける沖縄の島バナナ農家を応援し、「島バナナ研究会」を開設してブランド化に取り組んでいます。


仲座さんから島バナナについて説明を受ける森田正光さん

概要

生産している主な農作物

マンゴー、島バナナ

所在地

沖縄県八重瀬町

栽培について

マンゴー栽培と鉄骨ハウス建設の勉強を積み、行政の補助事業を活用して2010年にマンゴーの鉄骨ハウスを完成させ、栽培をスタート。島バナナ栽培は、島バナナのブランド化に取り組む“島バナナ農家を応援する東京チーム(代表 森田正光さん)”と組んで、収量アップに取り組み中。

出荷・販売先

地元直売所・個人からの注文で直送(直接手渡し)
※新規でも注文があれば販売可能

アメリカのリンゴ農家から、実家のサトウキビ農家へ

農業を始めたきっかけは、祖父母が農家で、子供の頃サトウキビの収穫などを手伝ったことがあり、農業が楽しいと思ったことです。
僕に農業を継いでほしいという親の願いもあって、2006年21歳の時にアメリカ農業研修に参加しました。
そこで一緒に研修を受けた仲間に、今は夢農人で活動している倉橋くんがいました。
リンゴ農家での研修だったのですが、僕は腰を痛めてしまい、研修期間は2年のところ1年で帰国しました。

マンゴー栽培に夢を持つ

帰国後は父のサトウキビ栽培を手伝い、インゲン豆の栽培に取り組みながら、マンゴーの鉄骨ハウスの補助事業を、農協と八重瀬町役場と一緒に進めていきました。
マンゴーは、沖縄の特産物の一つですし、夢が持てました。
品質を上げて安定させ、周りの人に美味しいと言ってもらって、定期的に買ってもらえるようになりたいという夢です。

鉄骨ハウスを建てての経営計画を練ったり、名護市のマンゴー農家に視察に行ったり、マンゴー栽培の勉強をしながらサトウキビとインゲン豆を栽培していました。

2010年についにマンゴーハウスが完成し、マンゴー栽培を始めることができました。


仲座ファーム マンゴーハウス

マンゴー栽培について夢を語る仲座ファームさん

マンゴーの品質向上と安定栽培を目指して

近所にもマンゴー農家は何軒もあります。
つまり、マンゴーのベテランであり先輩である方が近くに何人もいる環境なので、よく教えてもらいに行っています。
毎年、きちんと花が咲けば、マンゴーの実がつきます。
まだ、毎年花が咲くかわからないという挑戦段階なので、先輩から学ぶ日々です。

品質を上げ、単価を上げて、安定させていきたいです。
目下の課題は、害虫が多く傷物になってしまうことです。
害虫を出さないようにいろいろ取り組んでいますが、農家として、食べる人のことを思うと、農薬を撒く回数が多くなるのは問題だと思っています。
なるべく少ない農薬で、害虫を出さない状態になることが理想で、挑戦中です。


マンゴー栽培について説明する仲座ファームさん

伯母の思いを継ぐかたちで島バナナ栽培を開始

島バナナの栽培を始めたきっかけは、伯母が育てていた島バナナを切り倒すことになったことです。
伯母の島バナナの木から小さい木を株分けしてもらい、僕の畑の片隅に植えたのが始まりです。

※島バナナとは
沖縄在来種の島バナナは、庭先などに植えられ、沖縄では昔から馴染みのある果実です。
甘昧だけでなく、爽やかな酸昧と豊かな香りがあり、独特の風昧が特徴です。
また、そのサイズは、通常のバナナの半分ほどで、とても小ぶりです。
島バナナの栽培は、台風や病害虫のみならず泥棒の被害も多く、生産農家が少ないため沖縄でも希少価値の高いフルーツです。

沖縄の農業は、泥棒との闘い、台風との闘い

最初は収穫時期も分からず、せっかく大きく実った島バナナを盗まれることもありました。
沖縄では、実った農産物が泥棒に盗られるのは日常茶飯事です。
マンゴーや島バナナといった果実は高く売れるので特に泥棒に盗られやすく、多くの農家が困っています。

また、島バナナは露地栽培なので、まともに台風の影響を受けます。
枝ごと折れる、株ごと折れる・・・。
マンゴーは、鉄骨ハウスなので、露地栽培よりはかなり影響を受けにくいのですが、それでも何年かに1度の大きい台風が来ると、被害を受けます。
台風の時期は、台風対策のために働くようなものです。


仲座ファーム島バナナ畑

島バナナの泥棒対策は、永遠の課題

台風に関しては、パイプを立てて、実と枝を支えるという対策を始めました。
しかし、泥棒対策は、したくてもできない現実があります。
台風対策をし、台風から守った島バナナこそ盗まれやすくなります。
台風が去ったあと、3〜4日間で競り値が上がるからです。

森田さんが、島バナナ農家を応援してくれて、もしテレビ放送で島バナナのことを取り上げたら、価値が上がるので、すぐに盗まれると思います。

泥棒対策の囲いをしている農家もいますが、それでも盗まれるそうです。
囲いをするだけでも、相当の費用がかかり、島バナナの単価を上げなければ、やっていけません。
単価を上げれば売れにくくなります。

島バナナの産業化やブランド化が非常に難しいと言われているのはそういう事情です。

島バナナをおいしく育てる日々

沖縄ではバナナは真冬でも採れます。
他の季節よりも、熟すスピードがだいぶ遅くなりますが、常に採れるので、常に害虫・泥棒の対策を考えて次の手、そしてまた次の手を打っていこうと思います。

夏の台風でバサバサに切り込みが入ってしまっている葉を切り落として、新しい葉が出てくるのを待つ、というのが日々できることです。
切り込みが入った葉は、光合成機能が弱くなり、結果として実の育ち具合や美味しさに影響が出るからです。


台風の被害でバサバサに切り込みが入ってしまった島バナナの葉

島バナナの古い葉を切り落とす仲座ファームさん

それから、土をよくすることです。
実がふっくらと育つように、肥料をやっています。

2016年の夏は、台風が少ない年で、島バナナが多く採れ、1シーズンの総量で100キロを超え、とても嬉しかったです。
その頃から、もっと島バナナを植えたいと思うようになりました。
マンゴー栽培もですが、島バナナ栽培も、挑戦です。


島バナナの花

島バナナの花


花が咲いたあと、実がなった島バナナ

花が咲いたあと、実がなった島バナナ


島バナナの追熟

島バナナの追熟/緑のうちに収穫され出荷されます。黄色〜黒が入るまで吊るして追熟し、食べごろとなります。